その昔話は、聞けば聞くほどおもしろい。
亡くなったダンナが酒飲みで、外で放蕩してきた金を取り返そうと飲み屋を始め、高校生と中学生の娘を使い年間ウン千万円もの売上げをあげたという話もその一部である。
おかあさんの口癖の一つに「食い物商売は食いっぱぐれがない」というのがあるのだが、そんな教えが行き届いているのか、子どもや孫たちはみんな飲食の商売に関わっている。
今度、18歳の男孫が歌舞伎町でホストデビューすることになった。
本人が自分でその仕事を選び面接を受けてやることになったらしいが、誰も反対はしない。かと言ってみんなが「よし」とも思ってもいない。でも誰も反対はできない。
「数学や英語を勉強して将来なんの役に立つの?」という問いに答えられる大人がSファミリーにはいない。グランマ自身が、勉強より実地で成功したという体験を持っていて、Sファミリーにはそのポリシーが貫かれているからだ。
それはそれで説得力がある。
でもちょっとねぇ…。
歌舞伎町ホストがどういう風になるかでSファミリーの今後にいろいろ影響がありそうな予感。